2018年の「ハロウィン」の推計市場規模は前年比約5%減の約1240億円。

日本記念日協会では毎年「ハロウィン」があることによって形成されるであろう市場規模の推計を発表してきた。一昨年は約1345億円と推計し、同じ年に約1340億円と推計した「バレンタインデー」を越えたと話題になったが、昨年は「バレンタインデー」が約1385億円に上昇したのに対して「ハロウィン」は衆議院選挙の影響もあり約1305億円と減少し、逆転となった。

そして、今年は「バレンタインデー」が「恋人人口の減少」「「平昌(ピョンチャン)オリンピックの開幕」などで、「バレンタインデー」に対する興味や話題の減少で前年比約6%減の約1300億円に。これで再び「ハロウィン」が抜き返すかと思ったメディア、ギフト関係者も少なくなかったようだが・・・。

今年、2018年の「ハロウィン」の推計市場規模は約1240億円で前年比約5%の減少。その理由を考察してみると・・・・。

1・「ハロウィン」市場の形成に大きな影響を与える菓子業界や衣装業界、通販業界などで、品揃えや新鮮味のある商品が際立って増えたわけではなく、商戦としてのスタート時期を早めただけという印象がある。この時期になれば始まるというシーズン記念日はその期間が長くなればなるほどインパクトが弱まってしまう。とくに「ハロウィン」は10月31日にどうしてもやるというよりは前の週の週末にという行動が主流になり、アバウトなイベントになっている。10月になって「ハロウィンジャンボ」の発売とともに「今年のハロウィンはここが面白い」と一斉に打ち出したほうが効果的。

2・今まで何らかの形で参加してきた人の中に「そもそもハロウィンて何なの?なぜみんなで騒ぐの?」と思い始めて「ハロウィン」に対する自分の行動を見直そうと考えている人が増えている。街頭での行列よりも家族や友だちと過ごすきっかけの日にと思う人たちだが、そのような人たちに対する企業側の対応がまだ整っていない。

3・そして、「ハロウィン」の推計市場規模減少のいちばんの要因は「今年の夏の気温の高さと、災害の多さ」であろう。気温が高いと疲れる。夏バテが秋バテに移行して「ハロウィン」のために買い物をしたり、みんなで騒ぐパワーも落ちてしまう。災害があるとその被災地の人のことを想い、自分たちだけ「ハロウィン」で愉快に楽しんでいいのだろうかという気分になる。これはこの国の人の心の温かさの表れでもある。

2016年の約1345億円から2年間で約105億円も推計市場規模が減少した「ハロウィン」。この減少を食い止めるには「ハロウィンにはこれを食べると今年の厄が落とせる」「ハロウィンには今年の失敗を清算してもらえる」など、心理的にリカバリー出来るような状態になるものの関連商品、関連サービスの開発が必要。「厄除けカボチャのスープ」「(ミス)帳消し最中」などは出てこないものか。

(尚、推計市場規模の金額は億の単位の下一桁が0か5のどちらに近いかを判断し、近いほうに当てはめて発表。上記の文面、金額などを番組、紙面、Web上などでの使用を希望するときは必ず日本記念日協会まで連絡をして許可を得てください)