2017年の「バレンタインデー」の推計市場規模は前年比約3%増の約1385億円。

DSCF41442017年の「バレンタインデー」の推計市場規模は前年比約3%増の約1385億円。昨年の約1340億円から45億円増加。
これは昨年の秋の「ハロウィン」の推計市場規模約1345億円を約40億円上回るとともに、2012年の約1380億円を超える「バレンタインデー」史上最高額となる。
ではなぜ今年の「バレンタインデー」の推計市場規模が史上最高になったのか。その理由などを考察してみると・・・。

1・「バレンタインデー」といえば、ヨーロッパなどで行われていた恋人たちがプレゼントを贈り合う習慣にヒントを得て、メリーチョコレートが「女性から男性にチョコレートを贈り、愛の告白をしてもよい日」という画期的な提案を行ったことにより、若い女性の心を捉えて広く知られるようになった記念日。それが時代とともに恋人へのプレゼントだけでなく職場の上司や先輩、同僚などとに贈る「義理チョコ」、同性の友人に贈る「友チョコ」、家族に贈る「ファミチョコ」、お世話になった人に贈る「世話チョコ」などへと広がり、今年はさらに頑張っている自分に贈る「自分チョコ」「ご褒美チョコ」市場が急伸している。

2・自分や限られた人数の友人へのチョコレートは心に残るものをと高額のものを贈る人が多く、2万円以上の商品も人気を集めている。とくにSNSに写真を掲載する人は「美しく」「プレミアム感」のある商品を好む傾向があり、その多くが高級品。

3・今年の「バレンタインデー」は火曜日。2016年は日曜日。2015年は土曜日だったので今年は3年ぶりの平日となるが、過去のデータでも土日よりも平日のほうが市場規模が大きくなる傾向にある。それは「義理チョコ」市場が大きく動くからである。過去最高の推計市場規模を記録した2012年も火曜日で、そのときの取材データには「義理チョコも月曜日だと買い忘れ感が出せるけれど、火曜日だと逃げられない(笑)」「月曜日に上司から明日が楽しみと言われたらしょうがないよね(笑)」などの声があった。
(2014年は金曜日だったが「バレンタインデー」の前週と当日に首都圏などで大雪が降り、実質大きく減少となっているので天候異常による参考額とし、考察の対象とはしない)

4・「ガトーショコラ」(ケンズカフェ東京)「チョコレートソフト」(コメダ珈琲店)「マックフルーリーオレンジショコラ」(日本マクドナルド)など、チョコレートを扱う各業種におけるトップランナーの商品の人気が高く、さらには他店でも「バレンタインデー」に向けた新商品が昨年以上に多数登場している。

5・チョコレートメーカーやショコラティエの努力で、日本のチョコレートは世界的にも高品質のものが多く、訪日客も含めて海外からの需要が増大している。とくに春節の大型連休で日本を訪れる中国からの観光客の中には「メリーチョコレートのエスプリドメリーをお土産にしたい」など、商品を指定する人もいるほど。

6・チョコレート以外でも「バレンタインデー」商戦には雑貨、化粧品、アパレル、テーマパーク、外食産業など、幅広く参入している。などの理由が挙げられるが、昨秋、「ハロウィン」に推計市場規模で抜かれたというニュースが「バレンタインデー」業界を奮い立たせたという側面もあるのかもしれない。

(尚、推計市場規模の金額は億の単位の下一桁が0か5のどちらに近いかを判断し、近いほうに当てはめて発表。上記の文面、金額などを番組、紙面、Web上などでの使用を希望するときは必ず日本記念日協会まで連絡をして許可を得てください)
※写真はいずれも日本記念日協会に記念日登録されているチョコレート菓子。右から時計周りに江崎グリコの「POCKY」(ポッキー&プリッツの日・11月11日)/明治の「きのこの山」(きのこの山の日・8月11日)/森永製菓の「DARS」(ダースの日・12月12日)/ロッテの「Ghana」(ガーナチョコレートの日・2月1日)/ネスレ日本の「KitKat」(キットカットのオトナの日・10月7日)