2016年の「ハロウィン」の推計市場規模は前年比約10%増の約1345億円。

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この数年、日本記念日協会による推計市場規模が拡大の一途を続けている「ハロウィン」。
今年(2016年)は約1340億円と推計した「バレンタインデー」上回る約1345億円と推計され、はじめて「ハロウィン」が「バレンタインデー」を超えた。
(2014年に「バレンタインデー」が約1080億円。「ハロウィン」が約1100億円と、「ハロウィン」が「バレンタイン」を超えた金額を推計したが「バレンタインデー」の約1080億円はその前週と当日に大雪が降り、物流の困難などが発生したため積算を見直した金額なので、天候異常による参考額とし、比較の対象からは外す)
今年の「ハロウィン」の約1345億円というのは日本記念日協会が推計を行っている記念日の中では「クリスマス」に次いで2番目に高い金額で、今や完全に日本を代表する記念日として定着したといえる。
では今年も「ハロウィン」がその推計市場規模を拡大させた理由はどこにあるのか。

1・すでにハロウィン商戦に参画していた企業の商品ラインナップがさらに充実したこと。たとえばアマゾンの「ハロウィンストア」では昨年より50%増の18万点以上のコスチュームを用意したと発表。他のコスチューム関係の企業・ネット通販もアイテム数を延ばしている。これは「ハロウィン=仮装」が当たり前のことになり、恥ずかしさからグループで仮装していた人も一人で装うことに抵抗感がなくなってきたことを意味する。一人での仮装は高価なものになる傾向が高い。

2・メディアが「ハロウィン」を取り上げる機会が昨年以上に増えたこと。日本記念日協会に届いた「ハロウィン」関連での取材依頼は10月10日現在で85件。これは昨年の同日の61件よりも4割も多い。それも地方のテレビ局、新聞社から増えたことを思うと、「ハロウィン」が全国的な話題になっていることがわかる。さらにテレビや雑誌媒体での「ハロウィン」をイメージしたCM・広告が増大している。

3・ポケモンGOで町に出て特定のものをコレクションする楽しさを知った人々が増えたこと。「ハロウィン」での面白いコスチュームを写真に撮ることはどこかポケモンコレクションに似ているので、思わず夢中になってしまう。参加することは食事や移動にお金がかかる。とくに今年は「君の名は。」に登場する高校の制服、「シン・ゴジラ」の自衛隊の制服、「とと姉ちゃん」の戦後ファッション、リオ五輪閉会式での安倍マリオなど、時代とブームを反映したコスチュームにこと欠かない。

4・今までありそうでなかった「ハロウィン」にはコレを食べるというお決まりの「ハロウィン・メニュー」が出現したこと。江崎グリコが「ハロウィンには家族でシチューを食べましょう」と提案。節分の夜の恵方巻のように、ハロウィンの夜のシチュー(江崎グリコ流だと「クレアおばさんのシチュー」を使った)に注目。

5・「○○ハロウィン」のように何でも「ハロウィン」を付ければその雰囲気が出るようになってきたこと。「婚活ハロウィン」「ミスドハロウィン」「友だちハロウィン」など、その場その場をハロウィンパーティー会場のようにできる。

その他にもペタッと1枚カボチャやコウモリなどのシールを貼るだけで「ハロウィン商品」にしてしまえる気軽さなど、いくつもの理由が考えられる。

尚、メディアからの問い合わせが多数ある過去5年間(2012年から)の「バレンタインデー」と「ハロウィン」の推計市場規模を年順に記しておく。
「バレンタインデー」
2012年・約1380億円  2013年・約1310億円 2014年・(天候異常により不明とする)2015年・約1250億円 2016年・約1340億円
「ハロウィン」
2012年・約805億円 2013年・約1005億円 2014年・約1100億円  2015年・約1220億円 2016年・約1345億円
(尚、推計市場規模の金額は億の単位の下一桁が0か5のどちらに近いかを判断し、近いほうに当てはめて発表。上記の文面、金額などを番組、紙面、Web上などでの使用を希望するときは必ず日本記念日協会まで連絡をして許可を得てください)