2017年の「ハロウィン」の推計市場規模は前年比約3%減の約1305億円。

この数年、日本記念日協会では「ハロウィン」の推計市場規模を10月10日頃に発表してきた。この時期になると「ハロウィン」があることによって形成される市場の数や規模のデータが出揃うからだが、今年は衆議院選挙が22日に行われるために「ハロウィン」の情報を取り上げるメディアが昨年よりもかなり少なく、全国各地でのイベントや商業地での盛り上がり方。定番品も新商品もその販売動向が掴みにくく、市場規模の集積に時間がかかり10月17日の発表となった。

「ハロウィン」のような「みんなが楽しそうにしているので自分も参加したい」「この機会に新しいアイデア、アイテムを企画・開発しよう」と思う個人や企業が増えることで市場規模が拡大する「巻き込み型記念日」は、メディアからの情報とアナウンス効果が大きなウエイトを占める。
その情報比率が大きくなればなるほど市場の拡大が見込めるわけだが、今年のようにいちばんアナウンス効果が発揮されて盛り上がるはずの10月2週目、3週目のビッグニュースが選挙情報では「ハロウィン」の最新情報が多くの人に届きにくい。
昨年は10月10日の時点で日本記念日協会には85件の「ハロウィン」関連の取材依頼があったが、今年は42件と約半分となっている。
さて、ようやく出そろった情報をもとに推計した2017年の「ハロウィン」の市場規模は約1305億円で、2016年の約1345億円から約3%のダウン。

前回の衆議院選挙では約617億円もの費用がかかったそうだが、今回もそれくらいはかかるのだろう。そして、それだけでなく「ハロウィン」の推計市場規模も40億円ほど減少。任期が1年以上もあるこの時期に600億円もかけて選挙を行うことで、さまざまな経済分野で減少と停滞が起きているのではないか。そんなことを思わせる推計金額となった。

それでも老舗の和菓子屋(日本三大まんじゅうに数えられる東京都中央区の「塩瀬総本家」福島県郡山市の「柏屋」など)や、和装用品(着物をハロウィンの仮装のように着こなす)回転すしチェーン(かっぱ寿司の「ハッピーハロウィンちらし」や、無添くら寿司の「ハロウィン特製メニュー」)など、今までは「ハロウィン」となじみの薄かった業界業種が力を入れていること。
「こわかわいい」(怖いけど可愛い)をキーワードにケーキ、パン、ハンバーガー、アイスクリームなどのテイクアウトフード店での新商品ラッシュなどがあり、思ったほどの落ち込みにはなっていない。
それに今年は「ハロウィン」が近づいてきたことを印象付けるのに大きな役目を果たしているものが登場した。それは昨年までは「オータムジャンボ」と呼ばれていた宝くじが「ハロウィンジャンボ」となったこと。10月11日の発売前から「ハロウィン」という言葉がテレビCMなどで流れると「そろそろハロウィンの季節か」と多くの人が感じているに違いない。

そろそろ「ハロウィン」も飽きられてきたとの声も聞くが、この時期に日本中で騒がれるイベントは「ハロウィン」しかないので、今後は秋祭りの要素を取り入れ、実りの秋をみんなで感謝し合う『オータムジャンボハロウィン』に進化していくのではないだろうか。

(尚、推計市場規模の金額は億の単位の下一桁が0か5のどちらに近いかを判断し、近いほうに当てはめて発表。上記の文面、金額などを番組、紙面、Web上などでの使用を希望するときは必ず日本記念日協会まで連絡をして許可を得てください)