記念日の動向:国が制定した記念日について

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国が定めた記念日でもっとも知られている「国民の祝日」。それを定めた「国民の祝日に関する法律」の第1条には「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」と明記されている。

「国民の祝日」は1月1日の「元日」から12月23日の「天皇誕生日」まで年間の日数は15日。2016年からは8月11日の「山の日」が新たに設けられ16日になる。

また、「国民の祝日」ではなくとも、法律で定められている記念日もある。子どもの読書活動の推進に関する法律の「子ども読書の日」(4月23日)。老人福祉法の「老人の日」(9月15日)。文字・活字文化振興法の「文字・活字文化の日」(10月27日)。環境基本法の「環境の日」(6月5日)。勤労青少年福祉法の「勤労青少年の日」(7月の第3土曜日)。音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律の「国際音楽の日」(10月1日)。そして、津波対策の推進に関する法律の「津波防災の日」(11月5日)。

その「津波防災の日」の登録申請が内閣府からあり、1月27日に日本記念日協会が認定登録をした。なぜ内閣府からかというと、津波対策は内閣府が担当しているからだ。記念日登録証の授与式(写真)で内閣府の日原政策統括官(防災担当)は「記念日を通じて多くの人に津波の避難訓練に参加してもらえるようにしたい。訓練でどのように行動したらいいかを体験しておくと、いざというときにきっと役立ちますから」との挨拶をされた。

まさにその通りで、緊急に避難するときにいちばん大切なのはイメージ通りに動けるかどうかだからだ。そのイメージは体験することで身体が覚え俊敏に行動できるようになる。私は東京のラジオ局で何年も9月1日の「防災の日」の特番の構成を手がけたが、ゲストの防災関係の専門家の人たちは異口同音にそのことを語っていた。

「津波防災の日」は2016年の記念日カレンダーに掲載したいと思う。これをきっかけに国の定めた社会的に意義のある記念日の登録申請が増えることを期待している。